コエンザイムQ10のチカラ

コエンザイムQ10とチロシン

コエンザイムQ10とチロシンの関係

コエンザイムQ10とチロシン

コエンザイムQ10は主にサプリメントで摂取するというのが一般的ですが、体内で合成することができる成分として知られています。この過程で必要な成分が、アミノ酸のチロシンと、酵素のアセチルCoAです。
ではチロシンの働きとはどのようなものなのか詳しく見ていきます。

チロシンとは何か

私達の体は、主に20種類のアミノ酸からできていると言われています。アミノ酸はタンパク質を合成する最少単位の成分で、大きく分類すると体内で合成することのできない「必須アミノ酸」と体内で合成されるものの積極的に取り入れたい「非必須アミノ酸」の2種類に分けられます。チロシンはこの非必須アミノ酸に分類され、必須アミノ酸のフェニルアラニンから合成されます。
19世紀半ばにドイツの化学者がチーズの中から発見したことが始まりで、チロシンという名前はギリシャ語の「チーズ」に由来しています。

チロシンの効果

チロシンは神経伝達物質として知られるドーパミン、アドレナリン、ルノアドレナリンの材料となり脳の活性化に役立つ働きがあります。
では具体的にどのような効果があるのか、見てみましょう。

うつ症状を改善

脳内のチロシン濃度が低下することでうつ症状が出ることがわかっています。そこでチロシンを補給することにより、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの濃度を増加させることにより、神経の疲れや気分の苛立ちを和らげる効果があります。

集中力アップ

私たち人間の脳内には、およそ1000億個以上もの神経細胞があると言われています。これら神経細胞同士がうまく情報交換するための神経伝達物質として知られるのが、ドーパミンやノルアドレナリンです。
中でもドーパミンは一般的に快楽をつかさどるホルモンとして知られ、何かに夢中になったり感動している時に分泌されます。学習や運動機能・向上心に関係し、適度に分泌されることで更なる意欲をもたらすことがわかっています。このドーパミンの働きを助けるのが、チロシンという訳です。
またドーパミンの分泌量が低下すると、パーキンソン病など自律神経系の病状が出ることも確認されています。

ストレス緩和

人間は危険やストレスを感じると、脳内のアドレナリンが分泌され血液の供給を増やしたり、筋肉を緊張させたり、血糖値を上げるなどしてストレスに対抗します。そのアドレナリンの働きを助けるのがチロシンですが、過剰分泌すると怒りっぽくなったりイライラ感が増し、逆に少なすぎると物事への関心意欲が低下してしまいます。

白髪予防

白髪の主な原因は、老化とストレスです。加齢や精神的ダメージによりメラニン色素が生成できなくなり、結果的に白髪が増えてしまうというのが現状です。しかし、チロシンにはこのメラニン色素を増加させる働きがあり、白髪予防に期待できる成分とされています。

コエンザイムQ10はチロシンで増やせるか?

チロシンを多く含む食材とは

チロシンは先ほどの名前の由来のとおり、チーズや大豆に主に多く含まれています。どちらも100gあたり1000mg以上のチロシンが含まれ、他にも牛乳、マグロ・カツオなどの赤身、肉類、たらこにも含まれています。

コエンザイムQ10を摂取する理由

コエンザイムQ10の合成に必要なチロシンは、その効果も素晴らしく積極的に摂取すべき成分であることがわかりました。
しかし、チロシンを摂取することで果たしてコエンザイムQ10が体内で増加するのか?という疑問が出てきますが、答えは「NO」です。コエンザイムQ10を仮に「工場」に例えてみると、老朽化した工場(コエンザイムQ10)にどんなに素晴らしい原料(チロシン)を導入しても工場の働きそのものが良くなるわけではありません。体内で合成できるコエンザイムQ10の量は加齢と共に減少してしまい、それを補うのはチロシンではなくコエンザイムQ10そのものです。